初心者のオンライン英会話は時間の無駄?始める前にやっておくべきこと
Aug 15, 2024読了目安時間:10分
オンライン英会話をずっと続けているけれど、スピーキングが上達している気がしません。このまま継続すべきでしょうか?
以前に比べて英会話もオンラインで手軽に始めやすくなり、たくさんの方が利用されていますよね。ただ一方で結局続かなくなり、やめてしまったという方も非常に多いようです。理由としては、モチベーションの低下やスケジュールの管理が上手くいかず習慣化できなかったなどのほかに、冒頭の質問のように「成果が実感できない」というのも大きな理由の1つのようです。そこでこの記事では、オンライン英会話でありがちな、英語力がなかなか上達しない原因と、その解決策についてご紹介します。
目次
- 「英語が話せるようになりたい → 英会話」で失敗する原因
- 英語がペラペラになるためには正しいステップがある
- 英語インプットの正しい実践方法
- 英会話はいつから始めるべきか?の判断方法
- まとめ
- CHADSとは
「英語が話せるようになりたい → 英会話」で失敗する原因
みなさんは学生時代、文法やリーディング、ライティングなど、いわゆる机に向かって取り組む英語の勉強をずっと続けてきたと思います。そのため、大人になってから「やっぱり英語が話せるようになりたい!」と英語にもう一度挑戦しようとすると、「話せるようになるにはアウトプットが大切だ」と、大抵の方がオンライン英会話を始めます。しかし、冒頭のように「成果が実感できない」と行き詰まってしまうパターンが多いのはなぜなのでしょうか?
実は、英会話によるアウトプットは英語習得のフェーズで言うと、初心者にはハードルが高く、中級者の上レベルの人や上級者に最適なのです。というのも、初心者は英語を話す(アウトプット)といっても、話すために必要な英語の在庫(インプット)が足りていない状態なので、多少は話せるようになるかもしれませんが、英語がスムーズに話せるようなった、と実感できるほどの上達は難しいでしょう。そのため、「オンライン英会話をするのが楽しい」など学習のモチベーション維持で続けるのは良いですが、初心者や中級者の下レベルの人は、この段階では無理をして英会話を続ける必要はありません。
英語がペラペラになるためには正しいステップがある
では初心者〜中級者の下レベルの人は、英会話をやめて何をしたらいいのでしょうか? まず英語が流暢に話せるようになるためには、英語習得の最適なステップを理解することが重要です。
【英語習得のための最適なステップ】
- 基礎の勉強
- インプット
- アウトプット
- ソーシャルダイナミクス
ステップ1は英語の文法や基本単語の暗記など、これまでみなさんが学生時代に行ってきた基礎的な英語の勉強です。どうしても不安な方は軽くおさらい程度に復習しても良いですが、ほとんどの方はこのステップは完了していると考えていいと思います。文法を忘れてしまった、という場合は、必要な時だけ参考書を見直せばOK。文法の勉強に永遠と時間を割く必要は全くありません。
そして英語習得において最も重要とされているのが、ステップ2の「インプット」です。英語習得におけるインプットとは、英語でのリスニングやリーディングなどを指し、学習者はこのインプットに多くの時間をあてる必要があります。しかし、これまでみなさんが行ってきた学校の勉強は、本来の英語インプットとは呼べないため、ほとんどの日本人がこの最も重要なステップ2を行っていません。つまり、ステップ2を十分に行わずに、ステップ1から、すぐにステップ3のアウトプット(英会話)を始めてしまっている状態なのです(またはステップ1の基礎勉強をずっとしている場合も・・・)。ここに、オンライン英会話を続けていても、なかなか英語が上達しない原因があります。
英語インプットの正しい実践方法
では、オンライン英会話を始める前に行うべき、本来の英語インプット(ステップ2)とは何か?を私たちCHADSが推奨するイマージョン学習法に基づいて解説します。
※イマージョン学習法とは、子供が言語を身につけるようにターゲット言語を習得することをコンセプトとした、リスニングによる大量の英語インプットを主軸に行う学習法です。イマージョン学習について詳しく知りたい方はこちら。
1. 毎日耳から大量の英語インプット(リスニング)
インプットにはリスニング(聴く)とリーディング(読む)の2種類がありますが、イマージョン学習では、耳からの大量の英語インプットを推奨しており、アウトプットを始める前に1500時間、少なくとも1000時間のインプットを行うことをおすすめしています。このインプット時間が多ければ多いほど、アウトプット(英会話)の練習を始めた際に、学習の効果が発揮されやすくなります。ちなみに、毎日約3時間ほど英語インプットを行うと1000時間までには約1年、毎日1時間なら約3年ほどかかります。「そんなに時間がかかるの?」と思うかもしれませんが、英語習得は長い旅のようなもの。英会話を続けていても英語が全然上達しない、または成果が実感できずに挫折してしまった、という人は、ぜひこの英語インプットにじっくりと時間をかけてください。
2. 教材ではなく、ネイティブのリアルな英会話を聴く
まずは、出来るだけ英語教材ではなく、ネイティブが自然なスピードで話す英語コンテンツを選びます(文脈を理解しやすくするため、Yoububeなど動画の視聴がおすすめです)。リスニング用の教材の場合、英語の発音がかなり綺麗でスピードも学習者に聴きやすい速度に設定されているなど、調整されたものが多いためです。これに慣れてしまうと、実際にネイティブと会話した時に「スピードが速すぎる」「発音がクリアじゃないから聞き取れない」といったことが起きるので、ネイティブのリアルな会話コンテンツのインプットを行い、スピードや発音に慣れていきましょう。
3. 「理解可能なインプット」で行う
英語を大量にインプットするといっても、適当に選んだコンテンツでは効果は十分に発揮されません。第二言語習得理論の研究者、スティーブン・クラッシェンが80年代に提唱した「インプット仮説」では、<理解可能なインプット>が重要であるとされています。<理解可能なインプット>とは、学習者にとってコンテンツの内容は大体理解できるが、少し難しいと感じるレベルの内容をインプットすることです。学習者にとって難しすぎるコンテンツは混乱を招き、集中力も妨げられるため、本来のインプットの効果が半減してしまうため、出来るだけ<理解可能なインプット>に沿ったコンテンツを選びましょう。
4. 英語インプットを継続するための工夫
自分の好きなコンテンツを選ぶ
英語インプットの効果を引き出すためには、大量にインプットすること、そして毎日継続することが重要です。そのため、英語インプットを習慣化させる工夫も必要です。イマージョン学習のメリットは、自分が興味のあるコンテンツでインプットを行えることです。Youtubeで自分が興味のあるテーマや好きなYoutuberの動画を視聴したり、英語字幕が表示できるNetflixなどでお気に入りの海外ドラマを英語で視聴するのも良いでしょう。英語初心者の方は、子供向けの英語番組からスタートし、徐々にレベルを上げていってください。まずは字幕無しで視聴し、次に英語字幕ありで視聴するなどして、気になった単語やフレーズをリストアップしてAnkiアプリなどに登録して覚えていきましょう。但し、知らない単語やフレーズを全て拾う必要はありません。一度にたくさん行うと続きませんので、気になったものだけでOKです。
英語インプット仲間を作る
「誰かと一緒に行う」も英語インプットを習慣づける効果的なコツになります。友人や家族で一緒に始めて励まし合うのも良いでしょう。CHADSでも、英語イマージョンをより容易に、そして継続的に行えるよう設計した「本気で英語習得したい人のイマージョンクラブ」を開設していますので、学習仲間を探すのが難しいという人は、ぜひこちらをチェックしてみてください。
英会話はいつから始めるべきか?の判断方法
では、実際に英会話はいつから始めるのが最適なのでしょうか?
英語インプットをしなければ、必ずしも英会話に参加すべきではないと言うわけではありません。どうしても英語でスピーキングの練習をしたい、英語を話したくてたまらない、という人は、英語学習の継続、モチベーション強化の一環としてスタートするのも良いでしょう。但し、英会話を学習の中心にしないこと。あくまで補佐的な役割として考えてください。
または、これまで英語インプットを十分に行ってきて、英語コンテンツの理解力も中級者の上レベルだと自己判断できる人も英会話をスタートして良いタイミングです。具体的には、性格や能力、毎日のインプットの量等によって、アウトプットに挑戦できるレベルになるまでのインプット合計時間は数百時間から数千時間と幅広く考えられます。CHADSではガイドラインとして1000時間程度とお伝えしていますが、十分にインプットしたな、聞き取れるコンテンツが増えたな等と自覚したタイミングでアウトプットを始めてもいいのかもしれません。
逆に永遠にインプットだけを行っていても、コミュニケーションスキルの半分しか習得できていない状態なので、この段階のレベルの人は、英会話やネイティブの友人を作るなどして積極的に英語でアウトプットを行いましょう。今、リスニングでどれぐらい英語コンテンツを理解できるか、自分の英語レベルを知りたい方は、CHADSが作成した英語リスニング測定(無料)をチェックしてみてください。
まとめ
英語は生きた言語ですので、インプットに終わりはありません。初心者ほどインプットに多くの時間をあてる必要がありますが、中級・上級者でアウトプットを始めた方もインプットは継続しましょう。英会話をこれから始めたいと思った方や、英会話を続けているのになかなか上達しない、と感じる方は、ぜひ今回ご紹介したポイントをご自身に当てはめて確認してみてください。きっと今あなたがすべき学習の道筋が見えてくるはずです。
CHADSとは
私たちCHADSは、英語コミュニケーション習得ツールを提供するスタートアップ企業であり、第二言語として英語を習得のために必要な取り組み方を解説したビデオ学習コースや効率的な学習法を提供しています。
私たちのアプローチは、
- イマージョン(英語のインプット法)
- アウトプットのキャリブレーション(インプットとアウトプットのバランス)
- ソーシャルダイナミクス(英語を使ったコミュニケーション法)
の3つの柱に基づいています。
私たちは英語が自分の思い描く生活のための効果的で実用的なツールとなるように、学問の枠を超えて言語を理解することを中心に取り組みます。